今日のできごと

「職業はライターです」への違和感。元シンガーと言われても音楽を辞めなくてよかったと思えた日

投稿日:2019-03-10 更新日:

私は、2013年まで都内のライブハウスを中心にシンガーソングライターとして活動していました。そして、現在はフリーライターやアーティストのマネージャーのお仕事をしながら、音楽制作を続けています。 ライター、元シンガーソングライター、アーティストのマネージャー、肩書きだけが増えるなか、ずっと自分が何者なのかハッキリと言えずにいました 。

■28歳、派遣社員からフリーライターへ

フリーライターになって2年が経ちました。ライターになったのは、音楽を続けるために収入を得る手段が欲しかったから。当時、派遣社員だった私は、手に職をつけるためにクラウドソーシングを使ってライターの世界に足を踏み入れました。

タイピングが早かったこと、情報をまとめることが得意だったこと、たまたま良いクライアントさんと出会えたおかげで3ヶ月目に独立。ライター業がなんたるかもわからない私を拾ってくれた、編集者たじーさんのおかげで今に至ります。

編集者たじーさんとの出会いについて
こちらから

そして、アーティストのTinaさんの現場マネージャーもさせていただいています。

初現場で憧れのZebbraさんとご対面。倒れるかと思った初日の話はこちらから

なので、今、お仕事としているのは「ライター」「マネージャー」の2つ。気づけば、一番大切な音楽が一番遠い存在になっていました。

■元ミュージシャンという壁

晴れて、生きる術を手に入れたはずなのに、ライターであることをコンプレックスに感じる瞬間があります。

それは、ライターとして独立した後、音楽をやっていたことを知っている人が私を紹介してくれるとき。「元シンガーソングライターで、今はライターさんです」と丁寧に紹介してくれるとき。形容しづらいこと、他意はないことはもちろんわかっているけれど、「戦線離脱した元ミュージシャン」として紹介されているようで、どうにも情けない気持ちになりました。

でもそれは、まぎれもない事実…。

心の中では「元って何?今は制作をするためにライブをしていないだけ!」とはじめのうちは自分で自分をフォローしていたけれど、そんなことは他人にとってどうでもいいこと。見えている「今」が私。それに、曲を作ることからも離れてしまっている今、反論の余地はありません。

私は、自分で「負け組」の判を押していたんだと思う。

■職業はライターですが…

音楽で食っていくための腰掛けライターのつもりが、良くも悪くもライター1本で食えるようになってしまっていた。生活するためにも、これからのためにも、自分で意図したこと。だからこそ一生懸命やってきたけど、頭の片隅に違和感がずっと転がっていた。

そして、いつの間にかどんどん音楽からも離れて、コンプレックスは大きくなるばかり。「職業はライターです」と言うたびに、もう音楽には戻れないような気がしていた。

ライターは素晴らしいお仕事だけど、私は音楽をするために上京してきたのに何をしているんだろう…。最初は取材をするということ自体も、「取材される側になりたかったのに…」という葛藤がありました。

想いを届ける仕事がしたいけど、今は目の前にあることをやらなくちゃ。仕事が増えるという嬉しい悲鳴のなか、取材が続く日々でフラストレーションがたまっていく。そのバランスがなかなかうまくとれずにいました。

■私はいつまで音楽にしがみつくのか

そんな状態が続いて、1年くらい経ったとき。音楽といつケリをつけるのか、を考えるようになりました。

いつ戻るかわからない「やる気」を待つくらいなら、潔く辞めてライター業に専念しようか…と何度も思っては、「今までが無駄になるのは嫌だ」と、かき消して。「やる気がなくて才能もないならやめちゃえばいいのに」と、そんな言葉がぐるぐると定期的に頭の中を駆け巡って、誰にも話せない気持ちを体中に抱えたまま、毎日を過ごして。いつか出る答えを待つことしかできなくて、もやもやとした日々。

そんなことを考えながら、ある日友達にこぼした「もう辞めようと思う」という言葉。そんな話をするつもりはなかったし、引き止めてほしいわけでもなかった。「そうなんだ…」で終わると思っていた私は、彼女の反応に驚いた。たぶん、私が「辞める」という言葉を言ったのは初めてだったからだと思う。

でも、このときは「もう辞めてもいいかな」と本当に思っていたんだと思う。

■友達が思い出させて大切な気持ち

驚いた彼女が私に伝えてくれたのは、「音楽を辞めない」選択だった。

コツコツ続けられる私を尊敬してくれていること、相手の求めるものを読み取る力があるから、作家として作詞作曲をやっていく道もあること、何よりも私が音楽を好きなこと。

そう言われたとき、「そうだ。私、音楽が好きだったんだなあ」と素直に思えた。抱えていたものがストンと消えたようで、頭の中が明るくなった気がした。考えすぎていたからこそ、一番大事なことなのに、自分自身に疑心暗鬼になっているうちに、忘れてしまっていたんだと思う。

普段、あまり人に悩みや思いをこぼすことがないから、こうして自分のいいところを友達が教えてくれることって心強いんだって実感した。もうちょっと肩の力を抜いてやればいいや、って思えたことは、きっと一人で自問自答していても出せなかった答え。

素直に、まだ続けたいと思えた。

今まで、自分が音楽を仕事にしている姿が想像できなかった。
それは、自信も覚悟もなかったんだと思う。

でも、今ならやれる気がする。
初めて、憧れていた未来に自分がいる姿が想像できたから。

だから、もう少しだけ、私なりに踏み出してみようと思います。
自分らしくいるためにも。

長々と読んでくれてありがとうございました。

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Writer / Songwriter / Artist Managerフリーライター3年生。シンガーソングライターとして活動後、ライターに転身。アラサー向けのおでかけやカーライフについて、ウェブを中心に執筆しています。

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